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西村京太郎『四つの終止符』

今年1月に観たドラマ『筆談ホステス』があまりにも都合良く省略&美化されていたため、懐疑の念を覚えた。
「本当はもっと泥臭いのに……」聴覚障害者としての本来の姿&立場が、誤解されたまま世間に浸透していくのはいかがなものか。


それ以来、もしTVドラマ&映画化されるなら、どんな作品が一番重く真実を伝えられるのかと常々考えてきた。
そして、これしかないと思った。

四つの終止符『四つの終止符』
(著)西村京太郎
講談社文庫
(1981/10/15)


初めて読んだときの衝撃は忘れられない。
聾唖者を取り巻く偏見や差別……こんなに鬱屈とドロドロに切り込んだ内容は、聴覚障害者が身を置く残酷な現実と相まって鳥肌が立ったね。
どうやら実際にあった事件を織り込んで、西村京太郎氏が小説化したらしい。
また、西村氏にハマったきっかけの作品でもある。


その中でも特に、胸に突き刺さった言葉がある。
『ぼくの耳は聞こえませんが、みんなの耳も聞こえませんでした。でもだれもうらみません。さようなら』


実際、私は耳に障害があるが、私の周りの健聴者たちだって心に障害を持っている。
つまり健聴者たちは、聞こえないことを変に意識して、心にバリアを張って私を敬遠するから。
何かあれば、私の協力性のなさを指摘するけどさ〜それは違うと思う。
私はそれなりに話しかけているが、相手はあまり自分から私に話しかけようとしない。
だから私は「またいつものことか」と諦めてしまう。
詰まる所、みんな自分がラクしたいんだな〜と。
それでも結局、私が悪いってことになるのかな?


まあ、その辺は置いといて。


『四つの終止符』はTVドラマより映画化が良さそうだなあ。
すでに、1965年に『この声なき叫び』として、田村正和・出演で映画化もされているが。


そして、1990年に大原秋年監督によって映画化もされている。
HPによれば、大原監督は 「ろうあ者は、聴こえる人間に近づくよう努力をしているのに、 聴こえる人間は、ろうあ者に近づこうとしない」という、するどい問いかけと健聴者に深い反省を促すために映画を作ったそうな。
この文章を読んだとき、感動したね。


また、2001年にテレビ東京系列で、河合我聞・出演でドラマ化もされたらしい。


どれも観たことがないのは残念だが!
いずれまた、現代風にアレンジして映画化してほしいなあ……今でもまだまだ聴覚障害者に対する偏見や差別が根深く残っているからね。
聴覚障害は目に見えない障害なだけに、いろいろと誤解も風当たりも多いんよ。
見た目が普通と変わらぬ人間なだけに尚更。



『四つの終止符』についての詳細に興味がある方は、wiki参照(PC)してね。
また、素晴らしくも的確なコラムも見つけたので、良ければそちらもどうぞ。


ちなみに、西村京太郎氏は何かの因縁でもあるのか、いくつか他作品にも聴覚障害者を登場させているよ。
もっとも『四つの終止符』よりもインパクトに欠けるが。
2010.04.03 Saturday 21:23 | - | - | 
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