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聴覚障害者が登場する小説

ドラマ『筆談ホステス』が発端だが、西村京太郎『四つの終止符』を書いて以来、何となく聴覚障害者が登場する小説を調べてみる気になった。
ノンフィクション自伝は多くあったが、思ったより少なかったフィクション小説を勝手ながら紹介しよう。


まず、一番有名などころでは、エラリー・クイーンの推理小説が挙げられるだろう。
元シェイクスピア俳優で、聴力を失ってからは名探偵として活躍するドルリー・レーンが主役。

Xの悲劇『Xの悲劇』
(著)エラリー・クイーン
角川文庫
(2009/1/24)

Yの悲劇『Yの悲劇』
(著)エラリー・クイーン
早川書房
(1988/08)

Zの悲劇『Zの悲劇』
(著)エラリー・クイーン
早川書房
(1989/07)

しかし生憎と、それらの作品を中学生の頃に読んだことあるが、あまりの難しさ・ややこしさに挫折。
だから、どんな内容だったかはほとんど記憶にない。
私が読んだのは新潮文庫だったが、Amazonで出版年月を確認すると1950年代……文体の古さに付いていけなかったのかなあ、と自分に言い訳じみたフォローを入れてみる(苦笑)
上記にて紹介した3作品はどれも一番最近に刊行されたもので、多分読みやすくはなっているかと思う。
ちょい時間ができたときに、図書館で借りて再挑戦してみるか。


鍵『鍵』
(著)乃南アサ
講談社文庫
(1996/12/12)

窓『窓』
(著)乃南アサ
講談社文庫
(1999/7/15)

続いて上記2作品は、西村京太郎『四つの終止符』についてのコラムのバックナンバーをチェックしたときにヒット。
興味ある方はこちらへどうぞ。
聴覚障害者の少女が活躍するミステリー小説だそうな。
図書館で予約しといたけ〜、国家試験終了後に読む予定。


静寂の叫び(上『静寂の叫び 上』
(著)ジェフリー・ディーヴァー
(訳)飛田野裕子
早川書房(2000/02)

静寂の叫び(下『静寂の叫び 下』
(著)ジェフリー・ディーヴァー
(訳)飛田野裕子
早川書房(2000/02)

先述した乃南アサ小説についてのコラムの終わりに、見逃すには惜しい翻訳小説の紹介がされている。
聾生徒を守るために聴覚障害者の女性教習生が脱獄囚たちに挑むという、手に汗を握るようなスリリング展開だそうで、Amazonレビューでも絶賛。
まさに私好み!!
しかも、作者による緻密な取材を元に書き上げたといわれるけ〜これは期待できるな。
調べてみると、幸い職場近くの図書館に在庫があったけ〜、これも国家試験終了後に借りる予定。
もちろん、乃南アサの2冊も含め、読了後はいずれ感想をUPするつもり。楽しみ♪♪


娼年『娼年』
(著)石田衣良
集英社文庫
(2004/5/20)

聴覚障害者の女性が脇役で登場している小説。
文庫化されたときに、そんな評判をどっかで聞いて買ってみたが、自分的にはつまらなかった。
申し訳ないがね、「薄っぺらいな〜」と。
わざわざ聴覚障害者にするほどの内容でもなかった。彼女をそこまで深く掘り下げていないからさ。
聴覚障害者という付加要素で『優しさ』『寛容さ』を売り物にしているような……俗物さを感じたね、私は。
その点を除いてもやはり、自分的にはぬるかった。
しかし、女性読者に絶大なる支持を得ているというのは納得できたよ。文体が優しいもん。


以下、BL(ボーイズラブ)話。

もちろん、BLにも聴覚障害者が登場する小説がある。
私がBLにハマったタイミングが良かったのか、はたまたラッキーだったのか……。


瞳をすまして『瞳をすまして』
(著)杏野朝水
(画)やまがたさとみ
幻冬舎コミックス(2008/05)

読んですぐ「あり得ねえ〜〜〜!!(怒)」と壁に投げつけたくなったわ……ま、そこまではしなかったが。
だってさ、小中高とろう学校に通っていた主人公が、いきなり健聴者ばかりの大学へ進学したんだよ?
そこでの人間関係が、コミュニケーション障害をものともせず、とんとん拍子に円滑に上手くいく訳ねえっつーの!!
何なん!?
マジで現実を知らなさすぎるわ!
聴覚障害者に対する認識が甘い!甘すぎる!!
これが筑波大学だったらね、まあ、あり得るかも知んないけどさ〜……あまりの展開の速さに、読んでいて呆れたね。
ベタな少女漫画のように、都合良すぎてさ。
また、主人公以外の皆が健聴者だらけなのも不自然。
普通さ、ろう学校出身者なら卒業しても同じろう者同士で頻繁に会うと思うがな〜やっぱ健聴者ばかりの周りに身を置くと、どうしても気疲れしてしまうから。
しかも、一人称なのもいただけん。
携帯での会話や口話なら大丈夫だが、地の文章が健常者と等しく聴覚障害者の思考回路に当てはまるとは保証できん。情報障害の程度によっては、千差万別だからだ。
それをキレ〜〜イに、十把一絡げにまとめちゃってさ〜安易すぎる。
差別するつもりはないが、あえて承知の上で言わせてもらうなら「頭が足らない」聴覚障害者だっている。
せめて三人称で書かれていたら……と思う以前に、内容が浅はかすぎて救いようがないかも。
たかが1冊かも知れないが、この作品で間違った認識が世間に浸透されるかと思うと腹立つな〜。
まあ……いろんなコミュニケーションツールを活用している点では、評価して良い。


声を聴かせて『声を聴かせて』

(著)有田万里
(画)館野とお子
二見書房
(1998/05)

2編収録されているが、聴覚障害者について是正であろうとした前編が一番良かった。
ただし、読唇術についてはもう少し頑張りましょう。
しかし後編は……発音のおかしさを気にして声を出すことすらためらっていた受が、いきなりスムーズに話せるようになったのは解せない。
聴覚障害者にとっての声は、出す出せないだけでも計り知れない苦しみがある。
だから、アメリカ渡航先の大学で発声修得したとしても、その辺りの事情もなくあっさり飛躍したのでは違和感が拭えない。
せっかくいい話だったのに残念だなあ。
まあ、私も作者と同じくアンチ『星の金貨』であることは共感したけどね。


以上。
2010.04.21 Wednesday 21:23 | - | - | 
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